さてとうとう足を踏み入れてしまいましたね。ではでは EdgeRouter X (ER-X) の設定をしてみましょう。
ただインターネットの設定というのは万国津々浦々のご家庭で千差万別だと思います。また ER-X 自体前述の通り設定をちょっと間違えただけでもまったく動作しないということもあり得ますので、すべて自己責任で、データのバックアップや替えのルーター等用意した上で設定を始めることをオススメします。あともちろん、このページは個人が偏った趣味で片手間に書いているだけのものであり、何かあっても電話サポートも緊急対応もお詫びも祈祷も何もできませんので・・その点ご容赦ください。
ER-X の梱包箱はこんな感じです。
ではまず ER-X を家庭用のルーターとして使えるように初期設定してみます。
- Mac と ER-X を LAN ケーブルで接続する
- Mac の IP アドレスを変更する
- Basic Setup ウィザードで基本的な設定をする
- LAN ケーブルをつなぎ直す
- Mac の IP アドレスを元に戻す
- その他の基本的な設定をする
- フレッツで PPPoE の場合など MTU を変える場合の設定
- インターネットにアクセスしてみる
私ここいきなりハマりました(笑)。クイックスタートガイドしっかり読めという話ですね。
この記事での ER-X のファームウェアは 1.9.0 です。公式サイトではベースの Linux を Debian Stretch に大幅アップグレードした v2.x.x 系のファームウェアが公開され始めましたが、まだまだたくさんバグがあるようなので、このサイトで紹介しているような用途では v1.x.x 系をオススメします。
今回の設定後はこんな感じになります。
ER-X 設定値 | |
---|---|
ER-X ファームウェア | 1.9.0 |
WAN ポート | eth0 |
WAN 側 IP アドレス | 自動 (DHCP or PPPoE) |
LAN ポート | eth1/eth2/eth3/eth4 = switch0 |
LAN 側 IP アドレス | 192.168.1.1 |
LAN 内端末 の IP アドレス | 192.168.1.XXX |
Firewall | オン |
NAT | オン |
IP マスカレード | オン |
LAN 側 DHCP サーバー | オン |
DNS サーバー | 自動取得 |
LAN 側 DNS サーバー | 192.168.1.1 |
DNS 転送 | オン (switch0) |
SSH | オン |
SSH ポート | 22 ( LAN 側のみ) |
タイムゾーン設定 | 任意に設定 |
では設定してみます。
Mac と ER-X を LAN ケーブルで接続する
まずは初期設定をするために Mac と ER-X のポート eth0
を一時的に LAN ケーブルで接続します。
Mac: Ethernet ポートにケーブルを接続 ER-X: eth0 ポートにケーブルを接続
Mac の IP アドレスを手入力で変更する
ER-X の初期設定の IP アドレスである 192.168.1.1
にアクセスするために、 Mac の IP アドレスを手入力で変更します。ここでは 192.168.1.2
にしてみます。
構成: 手入力 IP アドレス: 192.168.1.2 サブネットマスク: 255.255.255.0 ルーター: 192.168.1.1 右下の "適用" ボタンを忘れずに押す
Basic Setup ウィザードで基本的な設定をする
それではブラウザで ER-X の管理画面を表示します。Safari で ER-X にアクセスし、初期設定用のユーザーネーム ubnt
とパスワード ubnt
を入力します。
Safari で https://192.168.1.1/ にアクセス username: ubnt password: ubnt
管理画面が表示されたら、画面上一番右の Wizards
タブをクリックし、その後左の Setup Wizard
から Basic Setup
を選びます。ここでこのルーターを基本的な家庭用ルーターと同等になるよう設定します。インターネットにつながる WAN ポートは eth0
、LAN 内の端末から見たこのルーターの IP アドレスは改めて 192.168.1.1
に設定します。もちろんプライベートアドレスならなんでも OK です。インターネットに接続する方法 (= WAN 側の IP アドレスを取得する方法) は Comcast 等だと DHCP
ですが、フレッツ等だと PPPoE
になりますので、環境に合わせて変えてください。また管理者のアカウントも同時に作成します。初期設定用の ubnt
のアカウントは管理者のアカウントを新規に作ると自動的に削除されます。
Internet port Port: eth0 Internet Connection Type: DHCP Firewall: Enable default firewall One LAN: Only use one LAN LAN Ports Address: 192.168.1.1 / 255.255.255.0 DHCP: Enable DHCP Server User setup User: Create new admin user User: お好きなユーザー名 Password: お好きなパスワード Confirm Password: パスワード確認
ちなみにフレッツ等で PPPoE でインターネットにアクセスしている場合はこんな感じですかね。
Internet port Port: eth0 Internet Connection Type: PPPoE Account name: プロバイダからもらう PPPoE のアカウント名 Password: プロバイダからもらう PPPoE のパスワード Firewall: Enable default firewall One LAN: Only use one LAN LAN Ports Address: 192.168.1.1 / 255.255.255.0 DHCP: Enable DHCP Server User setup User: Create new admin user User: お好きなユーザー名 Password: お好きなパスワード Confirm Password: パスワード確認
この設定では Only use one LAN
を選択しているので、 eth0
~ eth4
の4つのポートが switch0
として内蔵ハードウェア処理のスイッチングハブとなり、 LAN 側のネットワークは 192.168.1.0/24
(192.168.1.0 ~ 192.168.1.254) の1種類だけになります。もちろん後で LAN 側の各ポートに違うサブネットのネットワークを割り当てたり、 VLAN 作ったりもできます。
入力し終えたら、 Apply
ボタンを押して、 ER-X を再起動させます。
LAN ケーブルをつなぎ直す
次は Mac と ER-X の eth0
ポートを一時的につないでいた LAN ケーブルを LAN 用のポートである eth1
~ eth4
ポートのどれかにつなぎ直します。今回は eth1
にしてみます。また、 ER-X の WAN ポートに設定した eth0
ポートとケーブルモデム等をつなぎます。
ER-X の eth1 ポートと Mac の Ethernet ポートを接続 ER-X の eth0 ポートとケーブルモデムを接続
また、いやウチは有線でなくて普段 WiFi で Mac を接続してるんですよ〜という方は、 Airmac Extreme (もしくは Time Capsule) のルーター機能をオフにするブリッジモード
に変更して、 eth1
~ eth4
のどれかに LAN ケーブルで接続すれば、ルーターは ER-X を使いながら WiFi は引き続き Airmac という役割分担にできます。 WiFi の設定そのものは変えなくてオッケーです。
Airmac ユーティリティで Airmac をブリッジモードに変更 ER-X の eth1 ポートと Airport の WAN ポートを接続
Mac の IP アドレスを元に戻す
さて、これで ER-X の DHCP が有効になったので、手入力で設定した Mac の IP アドレスを元の自動 = DHCP サーバーによる割り当て
にもどします。
構成: DHCP サーバを使用 IP アドレス: (自動で割り当て) サブネットマスク: (自動で割り当て) ルーター: (自動で割り当て、もちろん 192.168.1.1 ) 右下の "適用" ボタンを忘れずに押す
その他の基本的な設定をする
それでは再度 ER-X にアクセスして、もうちょっと設定してみましょう。アクセスする ER-X の IP アドレスは 192.168.1.1
です。
Safari で https://192.168.1.1/ にアクセス username: さっき設定したユーザー名 password: さっき設定したパスワード
ここで Safari が証明書が云々言ってきたら、 "UBNT Router UI" を常に信頼する
にチェックを入れておきましょう。次回から何も言われなくなります。
それでは何か設定してみましょう。デフォルトのタイムゾーンが UTC
になっているので、使っている地域に合わせて変更してみます。メイン画面下の System
タブを開くと時刻を設定する場所があります。今回は北米にしてみました。
System タブを開く Time Zone: 任意の地域に設定 System タブ内画面下の Save ボタンを押す
変更後は忘れずに Save
ボタンを押してください。
フレッツで PPPoE の場合など MTU を変える場合の設定
フレッツで PPPoE
接続の場合などは、 MTU
を変えないと接続が不安定になる場合があります。なので MTU
と MSS Clamping
の設定をしておきます。
管理画面の Dashboard タブをクリック pppoe0 の Actions ボタンを押し、 Config を選択 MTU: 1454 Save ボタンを押す
管理画面の Wizard タブをクリック TCP MSS clamping をクリック Enable MSS clamping for TCP connections にチェック Interface Types: PPPoE MSS: 1414 Apply ボタンを押す
MSS には MTU – 40 の値を入れておけばひとまず問題ないです。
インターネットにアクセスしてみる
さあこれで、 ER-X を基本的な機能を備えた高性能なルーターとして使う準備ができました。では早速インターネットに繋がるか試してみましょう。適当なサイトをチェックしてきちんと表示されるか見てください。表示されない場合・・なんか設定が間違ってます(笑)。
スピードテスト系のサイトにアクセスして、スピードが速くなったかチェックしてみるのもいいですね。
スピードが速くなった方、おめでとうございます。前に使っていたルーターの性能が回線の早さに追いついてなかったのかも・・ですね。新しいルーターにした甲斐があったというものです。また Comcast 等使っている方は、これを機にケーブルモデムの再起動、もしくは新しいモデルへの買い替えを試してみるのもいいかもしれません。 Comcast は年に1度くらい回線のスピードをしれっと上げることがありますが、ケーブルモデムを再起動しないと、もしくはケーブルモデムが古い場合、せっかく早い Tier になったのに速度が遅いままになる可能性がありますので、要注意です。あんまりスピードが上がらなかった方は、このページで紹介しているハードウェアオフロードを有効にして速くなるか試して見てもいいかもしれません。
ではでは、お疲れ様でした。
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