今回は最近日本でも発売になった UniFi のオールインワン WiFi ルーター、 UniFi Dream Router を設定してみたいと思います。
UDR とは
この記事で紹介したように、 UniFi とは Ubiquiti のローエンドエンタープライズ向け WiFi ・ネットワークプラットフォームです。基本的に UniFi はルーター、 WiFi アクセスポイント、コントローラー等個々の機能を持ったデバイスを組み合わせるモジュラー式のシステムですが、今回設定する UDR は UniFi コンソールと呼ばれる統合型デバイスのうち、 UniFi の機能が一通り揃った WiFi ルーターです。以前紹介した UDM とともに家庭や中小企業で UniFi を始めるのにぴったりです。普通の UniFi のラインナップと比べてみると、こんな感じになります。
ちなみにもっとよく UniFi とはなんぞや、という疑問を追求したい場合は、このブログが大変詳しくオススメです。
Ubiquiti’s UniFi Ecosystem Explained
Ubiquiti は他のエンタープライズ向け WiFi 製品にくらべ圧倒的に価格が低いのが特徴ですが、その代わり説明書やヘルプがまったく整備されてないという欠点があります。信じられないかもしれませんが、個々の製品の詳細なスペックや、UniFi のソフトウェアにどんな機能があるか、または無いか、をきちんと説明したユーザーガイド等は公式ページにはありません。
なので UniFi のユーザーは伝統的にコミュニティーや、このような第三者のブログで詳細を調べることが多いです。
UDM と比較
UDR と UDM は大変良く似ていますが、ざっと比べるとこんな感じです。
UDR | UDM | |
---|---|---|
CPU | A53 2コア 1.35 GHz | A57 4コア 1.7 GHz |
RAM | 2GB DDR4 | 2GB DDR4 |
ストレージ | 128GB + SD | 16GB |
スループット | ~ 700 Mbps | ~ 930 Mbps |
IPS/IDS スループット | ~ 500 Mbps | ~ 850 Mbps |
2.4 GHz Wi-Fi | Wi-Fi 6 600Mbps | Wi-Fi 4 300Mbps |
5 GHz Wi-Fi | Wi-Fi 6 2400Mbps | Wi-Fi 5 1733Mbps |
WAN | 1ポート | 1ポート |
LAN / スイッチ | 4ポート | 4ポート |
PoE | 2ポート | – |
UniFi アプリ | Network + 1つまで | Network/UID のみ |
L2TP サーバー | あり | あり |
Teleport サーバー | あり | あり |
拠点間 IPsec | あり | あり |
拠点間 Auto IPsec | まだ | まだ |
拠点間 OpenVPN | あり | あり |
OpenVPN クライアント | あり | まだ |
Wireguard | まだ | まだ |
サイズ | 110 x 110 x 184 mm | 110 x 110 x 184 mm |
価格 | $199 | $299 |
UDM と比べて
- Wi-Fi が5から6へ ↑
- PoE が2ポート追加 ↑
- CPU が弱体化 ↓
- 価格が安く ↑
という感じになっているようです。
設定してみる
それでは中の人に提供していただいた UDR を設定してみます。箱をあけるとこのようなものが入っています。セットアップは UniFi Network アプリで行います。
Bluetooth で近くにいる UDR を検出します。この Bluetooth で検出してからのセットアップ、昔は画期的だなぁと思いましたが、最近はだいぶ広まってますね。
デバイスの名前と、 Wi-Fi の SSID / パスワードを設定します。
セットアップには少々時間がかかります。
ファームウェアアップデートが実行されます。今回は 2.4.10 > 2.5.11 > 3.0.13 と2回のアップデートが必要でした。
なんとかセットアップが終わったようです!だいたい 10 分くらいかかったように思います。
詳細設定のてがかり
UniFi はローエンドですがエンタープライズ向けをうたうだけあって、ネットワーク / Firewall / VLAN / IDS+IPS / Wi-Fi の設定は多岐にわたります。しかし先ほども書いたように、これらを網羅したユーザーガイドはありません。どこにどんな機能があるのか、ないのかは自分で探し出す必要があります。その場合は、下記のようなページがてがかりになります。
UniFi OS – Dream Router 2.4.10
UniFi OS – Dream Router 2.5.11
UniFi OS – Dream Router 3.0.13
UniFi Network Application 7.0.23
UniFi Network Application 7.1.61
UniFi Network Application 7.2.95
UniFi Network Application 7.3.76
Ubiquiti Support and Help Center – UniFi
そしてまたこのブログ。公式サイトに欠けている、各機能の説明が網羅的詳細に書いてあって、大変参考になります。
UniFi’s Advanced Wi-Fi Settings Explained
なんで公式サイトはこういうのやらないんすかね。おや、こんな夜中に誰か来たようだ・・。
なんて文句ばかり言ってますが、多数の Wi-Fi アクセスポイントやスイッチを、管理ソフトで一元的に管理でき、しかもその管理ソフトがローカルで動作しかつライセンス料不要という Wi-Fi / ネットワーク管理プラットフォームは世界でも UniFi しかありません。これは大変素晴らしいです。
UniFi OS の設定画面
それでは UDR の設定画面を見てみましょう。設定項目はめちゃめちゃ多岐にわたるので、詳細な設定をする場合は iPhone アプリでなく Mac からブラウザでアクセスしたほうがいいです。下記では UniFi OS 3.0.13 を使っています。
UniFi OS Console の設定画面です。 Applications でどの UniFi アプリケーションをインストールするか選べます。 UDR では UniFi Network は必須で、そこに Protect / Talk / Access の中からもう1つだけインストールできます。
Devices では管理している Wi-Fi アクセスポイントやスイッチなどが表示されます。でもこれは表示しているだけで、実際のデバイスの設定は UniFi Network で設定します。
Admins では管理者を設定できます。知り合いに設定を見るためのアクセス権を付与したりできます。
Console Settings ではデバイス名や時間や SSH の設定ができます。なぜか場所の設定が岐阜になってました・・。
Push Notification Settings では UniFi OS に関する通知の設定ができます。
Map では間取り図にアクセスポイントを配置して、簡易的に電波の強度を表示できます。
System Log では様々な出来事のログが見られます。 UniFi OS 3 になってからいろいろログに残る項目が増えたようです。
Storage では SD カードの設定ができそうです。 SD カードは UniFi Protect のストレージに使うようです。ただ監視カメラはストレージへの書き込みが頻繁なので、寿命が短い SD カード等のフラッシュメモリーを使うのは禁じ手のはずですが・・。おや、こんな夜中に誰か来たようだ・・。
About This Console では UDR のハードウェアの情報や WAN 側の MAC アドレス等が表示されます。挿さってるケーブルの数が反映されるのがニクいですね。
UniFi Network の設定画面
それでは今度は UniFi の基幹アプリ、 UniFi Network の設定画面を見てみましょう。やはり設定項目はめちゃめちゃ多岐にわたるので、詳細な設定をする場合は iPhone アプリでなく Mac からブラウザでアクセスしたほうがいいです。下記では UniFi Network 7.3.76 を使っています。
まずはダッシュボードです。回線速度やトラフィックの状況、 “Wi-Fi Experience” などの情報が所狭しと表示されています。セットアップしたばかりであまり内容が無いですが、日々使っていると色々なデータが表示されます。この全能感のある美麗なダッシュボードは Ubiquiti の得意とするところで、競合他社にも見習ってほしいものです。
ちなみに Wi-Fi Experience とは Wi-Fi の電波の強さや遅延などを色々勘案したもの、のようなんですが、具体的にどんなデータを用いてどのように勘案しているかがどこにも書いてないので、問題があるのはわかっても改善しようがなく、もどかしいです。
Topology です。ネットワーク内のアクセスポイントやスイッチングハブがすべて UniFi 製品であれば、ネットワークの状況がかなり正確に描かれます。ただ UniFi 以外ののスイッチが混ざっていたりすると、あるアクセスポイントが全然違うスイッチに繋がっているとされたり、孤立するスイッチが出たり等問題が出ます。この Topology が正確にならない問題は UniFi 伝統的あるあるの1つです。
この UniFi Devices の画面でネットワーク内の各 UniFi 機器の設定をします。 UDR の Wi-Fi アクセスポイント部分とスイッチ部分の設定もここでします。最近導入されたスイッチの Port Manager が大変使いやすいです。
Client Devices では、 LAN 内の端末が一覧で表示されます。自分で端末の名前をつけたり、端末のアイコンを変えてわかりやすくしたりできます。また特定の端末に DHCP から特定の IP アドレスを割り振る Fixed IP (Static Mapping) の設定も実はココです。
Security Insights では IDS+IPS の状況が表示されるようです。・・使ったことないので推測で書いてます・・。
Wi-Fi Insights では LAN 内の各端末の電波強度やスピード、また周囲にどれくらい他人の Wi-Fi アクセスポイントがあってどんなチャンネルのどんな電波を出してるか、等が表示されます。自分の Wi-Fi アクセスポイントで最適なチャンネルを設定する際に参考になります。
System Log では UniFi Network に関する様々なイベントが記録されます。これも UniFi OS 3 = UniFi Network 7.3 から拡充されたようです。
UniFi Network の詳細設定
それでは、 UniFi Network の詳細設定画面を、私おすすめの設定を交えつつ紹介してみます。私は UniFi のルーターを使っていないので、ここではおすすめの Wi-Fi やネットワーク設定だけ載せてみます。ほんとはルーターも UniFi を使って一元管理したいんですが、まだ自分が必要な機能がないので乗り換えられません。 UniFi のアクセスポイントとスイッチは素晴らしいので、何台も使ってます。
Settings > Wi-Fi です。デフォルトではこんな感じです。
私のおすすめは:
Global AP Settings
2.4 GHz Radio = 20 MHz, Transmit Power = Low
-
2.4 GHz 帯は混雑してる割に使うのは低速な IoT 機器とかなので、 20 MHz で十分です。また 2.4 GHz は電波が遠くまで届きやすいので、出力は Low にしています。
5 GHz Radio = 40 MHz, Transmit Power = Medium
-
この記事でも書いたように、 5 GHz 帯も 40 MHz もあれば十分だと思います。出力は、各部屋に置いたアクセスポイントの電波が部屋から出ないくらい、という意味で Medium にしてます。
AP Exclusions = 特に設定なし
-
この Global AP Settings を適用したくないアクセスポイントがある場合にはここで設定します。
AP Site Settings
Wireless Meshing = オフ
-
メッシュは遅くなるので使わないようにしてます。アクセスポイントは Ethernet で接続します。
New Device Auto Link = オフ
-
UniFi のワイヤレスカメラ等の初期設定が簡単になる機能です。余計な SSID を出さないようオフにしてます。
Connectivity Monitor Type = Gateway
-
ネットワークやメッシュが落ちてるかどうかをチェックする機能です。通常は Gateway (大抵はルーター) に Ping かなんかを送ってチェックしているようです。好きな IP アドレスに変えられます。
Nightly Channel Optimization
Channel Optimization = オフ
-
これは UniFi が周囲のアクセスポイントやチャンネルの混雑具合を見て各アクセスポイントのチャンネルを1日1回変える、という設定ですが、コミュニティーでの投稿を見ると問題出た人が続出だったんでオフにしています。 UniFi では基本「オート」と名がつく新しい機能は、手を出さない方が安全です。各アクセスポイントのチャンネルは、盆栽のように自分でひとつひとつ手動で設定した方が安定するし味が出ると思います。
Settings > Wi-Fi > SSID をクリックするとその SSID の詳細設定ができます。デフォルトではこんな感じです。
ここにある Broadcasting APs というのは、 Wi-Fi アクセスポイントをグループ化して、それぞれに様々な SSID を割り当てられる機能です。この機能はほんと目からウロコで、複数のアクセスポイントを持っている人にはめちゃめちゃ便利です。
私のおすすめは:
Advanced
Manual
Wi-Fi Type = Standard
Band Steering = Enable
-
Band Steering は 5 GHz が使える端末はなるべく 5 GHz につながるよう誘導する機能です。
Bandwidth Profile = Default
Multicast Management:
Multicast Enhancement = オフ
-
マルチキャストをユニキャストに変換して Wi-Fi の混雑を減らす機能です。我が家はそんなに端末が多くないし、オンだと Bonjour の遅延が大きくなるのでオフです。
Multicast and Broadcast Control = オフ
-
許可した端末以外は Wi-Fi へのマルチキャスト・ブロードキャストを送れなくする機能です。これネットワーク内のあらゆる端末のマルチキャスト送受信スキームを理解した上で設定しないと効果が出ないしうまく動作しません。何を言ってるかわからない人はオフがおすすめです。
Client Device Isolation = オフ
-
特定の SSID につながった端末同士の通信をレイヤー2レベルでブロックする機能です。きちんとしたホテルだと各部屋の Wi-Fi につながった端末同士が見えないようになっていたりしますが、アレです。新しい SSID を追加した時に Guest Network を選ぶと自動的にこの機能がオンになります。
Proxy ARP = オフ
-
UniFi のアクセスポイントが、 Wi-Fi につながってる端末の ARP に代理応答して Wi-Fi の混雑を減らす機能です。我が家ではオンにするとなんとなく Bonjour の遅延が増える気がするのでオフにしてます。安定性互換性第一。
BSS Transition = オフ
-
802.11v で規定された、端末をどのアクセスポイントに接続させるかを管理・調整する機能のようです。我が家では BSS Transition をオンにするとプリンタの Wi-Fi 接続が不安定になるようなのでオフにします。安定性互換性第一。
UAPSD = オフ
-
802.11e で規定された、端末 Wi-Fi のスリープの間隔をコントロールして消費電力を抑える機能のようです。我が家ではやはりオンにすると IoT 機器の Wi-Fi 接続が不安定になるようなのでオフにします。オフにすると iPhone 等バッテリーで動作してる機器の消費電力が増えるようですが、自宅だから充電すりゃいいです。安定性互換性第一。
Fast Roaming = オフ
-
802.11r で規定された、端末の Wi-Fi アクセスポイントの切り替えを早くする機能です。アクセスポイント間の移動・切り替え時間を遅いと思ったことがないのでオフにしてます。安定性互換性第一。
802.11 DTIM Period
2.4 GHz = 1
5 GHz = 1
-
DTIM の数字を大きくすると端末の消費電力が減りますが、マルチキャストの遅延が増えます。マルチキャスト安定性命の我が家では、両方全力の1です。自宅だから充電すりゃいいです。
Minimum Data Rate Control = Auto
-
Wi-Fi につながった端末の接続速度の下限を決める機能です。最小ビットレートを上げると、ブロードキャスト・マルチキャストがより早く送れるようになりますが、古い IoT 機器で互換性に問題が出たりします。 UniFi では珍しくこれは Auto がいいようで、いろいろ設定を試しましたが、変えると大抵問題が出ます。
Security
Security Protocol = WPA2
PMF = Disabled
Group Rekey Interval = Enable, 3600 Seconds
Hide Wi-Fi Name = オフ
-
最近の風潮では SSID を隠すことはセキュリティーにはつながらず、逆に IoT 機器の Wi-Fi のセットアップで問題が出たりする、ということで SSID は隠しません。
Device Filtering
MAC Address Filter = オフ
-
この設定は特定の SSID に特定の端末が接続されるのを防ぐために使います。
RADIUS MAC Authentication = オフ
Wi-Fi Scheduler
オフ
-
この設定は特定の SSID のオン・オフを時間によって切り替える機能です。たとえば子供用の SSID を夜にはオフにする、みたいな用途があるかもです。
Settings > Networks です。デフォルトではこんな感じです。
Global Network Settings
Multicast DNS = オフ
-
この機能は mDNS / Bonjour をサブネット = VLAN を超えて行き渡らせます。メインの VLAN と IoT 機器用の VLAN を分けていて、その VLAN 間で Airplay や HomeKit 等の Boujour を利用したプロトコルを使いたい場合にオンにします。我が家ではやはり Bonjour に遅延が増えるので、この機能はオフにして、 Bonjour を使いたい端末はすべて1つの VLAN に置くようにしてます。
IGMP Snooping = オフ
-
IGMP はマルチキャスト管理プロトコルで、 IGMP Snooping はその IGMP のパケットを見てスイッチやアクセスポイントが不要なポートへマルチキャストをブロックする機能です。 Ubiquiti 製品は伝統的にマルチキャスト周りにバグが多く、この機能をオンにすると MLD がブロックされたり、本来 IGMP でブロックしてはいけない 224.0.0.0/24 がブロックされたり等々問題がありました。我が家ではひかり TV を観るのに MLD を使うので、 MLD に問題が起きないようにオフにしてます。その代わり VLAN を細かく分けて、マルチキャストが増えすぎないようにしています。
Global Switch Settings
DHCP Snooping = オフ
-
ネットワーク内の DHCP のやり取りを覚えて、 UniFi のアクセスポイントが DHCP サーバーの代わりに DHCP 応答してネットワークの混雑を減らしたりする機能です。ものすごく大量の端末を使ってない限りはオフでいいと思います。
Jumbo Frames = オン
-
スイッチングハブ等で扱える Ethernet フレームは通常上限 1500 バイトまでですが、その上限を 9000 バイトくらいまで拡張する機能です。このおかげで少しネットワークのスピードが上がった時もあったようですが、現代ではもうそんなに効果が無いようです。我が家では VLAN 使ったりしてフレームサイズが大きい時があるので、なんとなくおまじないとしてオンにしてます。
Flow Control = オフ
-
ネットワーク内で Ethernet のフレームが混雑した場合、端末にちょっと通信止めろ!という機能です。これも昔は役に立った時期があったようですが、ギガビット Ethernet が標準になってる現代ではほとんど恩恵がないようです。なのでオフにしてます。
Spanning Tree = オフ
-
スパンニング・ツリー・プロトコルは、スッチンググハブで構成されるネットワークで、経路を冗長化したり、障害の原因となるループを検知して遮断したりします。我が家は余計なパケットを増やしたく無いのでオフですが、自宅のスイッチングハブがすべて UniFi ならオンにしておいた方が安全だと思います。その場合は RSTP の方が動作が早いのでおすすめです。
802.1X Control = オフ
-
この機能は MAC アドレスでアクセスポイントに接続する端末を認証したりします。会社とか向けの機能なので、オフでいいと思います。
Switch Exclusions = 特に設定なし
-
この Global Switch Settings を適用したくないスイッチがある場合にはここで設定します。
Settings > Networks > Network 名をクリックするとそのネットワークの詳細設定ができます。デフォルトではこんな感じです。
Network Name = お好みで
Router = Default
Gateway IP/Subnet
Auto-Scale Network = オフ
-
ネットワークの端末の数に応じてサブネットマスクを調節する機能のようです。なんとなく恐ろしいのでオフの方がよさそうです。
Host Address = 好きなプライベートアドレスの1番
Netmask = まぁ /24 (=255.255.255.0) でいいと思います
Advanced
Manual
Network Type = Standard
-
Wi-Fi SSID のところと同じように Guest にすると Client Isolation がスイッチで有効になると思います。
IGMP Snooping = オフ
Multicast DNS = オフ
-
これらも Wi-Fi SSID のところと同じです。
DHCP
-
UniFi のルーターを使う場合はここで DHCP サーバーの設定ができます。基本はデフォルトのままでいいと思います。ここで DHCP DNS Server を有効にしてしまうと、ネットワーク内の端末が設定した DNS サーバーに直接問い合わせをするようになり、 Traffic Management 機能が働くなったりするので注意してください。
IPv6
-
IPv6 を使いたい場合はここで有効にします。
Settings > Internet です。ちょっと前までは WAN だったかと思います。デフォルトではこんな感じです。
WAN 名をクリックするとこんな感じです。
あんまり変えるところはありませんが、下記のところは変えてもいいかもです。
Smart Queue
-
fq_codel を使った QoS です。 VoIP や Webex などリアルタイム処理が必要なアプリケーション用の帯域を確保して、同時にインターネットの回線帯域いっぱいに使ってたとしても音声が途切れる等の問題を出にくくします。大変便利かつ効果のある機能ですが、有効にすると最高速度が 300 Mbpsくらいになります。上り回線が極端に遅く、いつも電話会議で問題が出る場合は有効にしてもいいかもです。ちなみにコムキャストなどのケーブルモデムを使っている場合は、 DOCSIS 3.1 対応のモデムに似たような AQM 機能が内蔵さえれているので、そっちを使ってもよさそうです。
DNS Server
-
自分で好きな DNS Server に変えられます。スピードの早い下記のサーバーなんかがおすすめです。
NextDNS
CloudFlare 1.1.1.1
Google Public DNS
UPnP
-
ネットワーク内でマルチプレイヤーゲームや DTCP+ 機器なんかを使ってる場合は有効にするといいかもです。
お疲れ様でした。一通り Wi-Fi やネットワーク設定を見ることができたと思います。 UDR にはさらに VPN や Traffic Management の機能がありますが、こちらはまだ不勉強なので、そのうち勉強してまた記事にできたらいいなと思ってます。
Management VLAN を設定する
せっかく UDR のようなたくさん機能のあるルーターを買ったので、ちょっと凝ったことをしたいという貴方。そんな時は VLAN の設定はどうでしょう。
VLAN とは、スイッチングハブやアクセスポイントで構成されるネットワークに、仮想的な別個のネットワークを多重に追加できる大変便利な機能です。もちろん UDR も VLAN の作成・設定が可能です。ここでは VLAN 初心者の練習にぴったりな、スイッチングハブ・アクセスポイントの Management VLAN への移行をやってみましょう。
UniFi のスイッチやアクセスポイントは UniFi Discovery (UDP Port 10001) 等々マルチキャスト通信を行なっています。なにもしないデフォルトの状態だと iPhone や MacBook のつながっている Wi-Fi にそのマルチキャストが流れます。マルチキャストは Wi-Fi につながってる端末ひとつひとつに送信されるので、 Wi-Fi の混雑の原因となります。これをスイッチ・アクセスポイントを別個の VLAN に分けることで、不安定な IGMP Snooping 等を使わずに Wi-Fi へ流れる UniFi 起因のマルチキャストを減らそう、というわけです。
まぁぶっちゃけ台数が少ない時はほとんど影響ありませんが、 VLAN を設定するいい口実になると思います。
- スイッチを追加
- VLAN を追加
- UDR 内蔵スイッチの VLAN 割り当てを確認
- US-8-60W の VLAN 割り当てを確認
- US-8-60W の Management VLAN を変更
- US-8-60W の IP アドレスを変更
- US-8-60W の IP アドレスを変更完了!
まずネットワークに手頃な UniFi スイッチを追加します。今回は US-8-60W を追加してみました。スイッチを Ethernet ケーブルで UDR につなげるとデバイス一覧にスイッチが出現するので、 “Click to Adapt” をクリックします。
するとスイッチが UniFi Network に登録されます。
スイッチやアクセスポイントが所属する新しいネットワークを追加します。 UniFi Network では VLAN や IP アドレスの範囲や DHCP サーバーなどの設定をまるっと「ネットワーク」として設定します。ここでの VLAN ID は 51 にします。
Network Name = management
Host Address = 192.168.51.1/24
VLAN = 51
DHCP Mode = DHCP Server
DHCP Range = 192.168.51.31 ~ 192.168.51.254
UDR の Port Manager で内蔵スイッチのポートでの VLAN 割り当て状態を念の為に確認します。
ポート1にスイッチがつながっていますね。 VLAN 割り当て状態は Profile を見ればわかります。ここでは All になっています。 UniFi での Profile = All は Cisco 製品の Trunk ポートとだいたい同じ意味です。つまり Default VLAN = 1 でかつ、後から追加した VLAN がすべてタグ付き VLAN として追加されている、ということになります。なので今回は ALL = VLAN 51 がタグ付き VLAN として通る状態です。
今度は後から追加したスイッチのポートの VLAN 割り当て状態を確認します。
ポート1に UDR がつながっていますね。どのポートも Profile = All なので、どのポートも Default VLAN = 1 でかつ VLAN 51 がタグ付き VLAN として通る状態ということです。準備万端です。
Management VLAN とは、そのスイッチが UniFi Network とデータをやり取りする VLAN です。デフォルトでは VLAN 1 になっていますが、その Management VLAN を VLAN 51 に変更してみます。
デバイス一覧で US-8-60W をクリックして Settings タブをクリックします。
“Management Network” をさきほど追加したネットワーク management に変更します。するとしばらくして US-8-60W に割り当てられていた IP アドレスが 192.168.1.40 から 192.168.51.246 に変わりました。やりました、成功です!
いまこの状態で、 UDR と US-8-60W をむすぶ Ethernet ケーブルには、デフォルトの VLAN 1 と VLAN 51 という異なるサブネットを持つネットワーク = VLAN が共存しています。もちろん US-8-60W の各ポートのデフォルト VLAN は 1 のままなので、このスイッチに MacBook 等をつなぐと変わらず 192.168.1.0/24 のネットワークにつながります。スイッチが UDR と通信するのに VLAN 51 を使うようになった、というだけす。
Wi-Fi には VLAN 51 を設定してないので、これでスイッチが出す UniFi Discovery のマルチキャストが Wi-Fi に流れ込まなくなりました〜!
US-8-60W の IP アドレスを自分の好きなものに変更します。今は UDR の DHCP サーバーが適当に割り当てた 192.168.51.246 ですが、これを 192.168.51.2 にします。まずは US-8-60W の MAC アドレスを調べます。
MAC アドレスは 18:e9:29:XX:XX:XX でした。これをメモします。つづいてこの MAC アドレスをもとに、 DHCP サーバーが割り当てる IP アドレスを設定します。設定は Client Devices の画面で行います。
画面右上の Add Client アイコンをクリックして、先ほどメモした MAC アドレスを入力、 “Fixed IP” にチェックを入れ、自分の好きな IP アドレスを入力します。ここでは 192.168.51.2 にしました。もしネットワーク内に他の端末がいる場合は、ここで同じように IP アドレスの設定ができます。このままだと次の DHCP リース更新時までは何も起こらないので、スイッチを再起動します。
というわけで無事に IP アドレスが変更されました。 Fixed IP にチェックを入れているので、このスイッチは未来永劫 192.168.52.2 となります。
お疲れ様でしたー!
おわりに
いやー、長かったすね!しかしこれでも深淵な UniFi の表面を撫でただけのレベルです。さきほど述べたとおり、 UniFi にどんな機能があるのか、何ができるのか、把握するのは困難ですが(笑)、圧倒的なコストパフォーマンス、ローカルで動くライセンス不要の管理ソフトという強力な武器で人気の UniFi は、これからも目が離せません!
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました!
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