え、まだルータールーター言ってんの!?・・とか言わないでください・・。
そういえば各記事の文章が長すぎて、興味はあるがいまいちこのルーターが何が便利なのかわからん、と友人にお叱りをいただいてしまったので、このルーターがどんなことができるかいくつか簡単にまとめてみたいと思います。
VPN で海外から日本のコンテンツを観る
もっとも基本的なリモートアクセス VPN を設定するやり方です。日本の実家等に EdgeRouter を設置して、 VPN サーバーとして使います。これで日本の TVer や日本の Netflix が観られるようになります。また実家のルーターがしょぼい場合は接続速度が速くなって実家の人々も満足ですね。有料 VPN サービスと同じように Mac や iPhone から接続でき、かつ実家経由なので Netflix 等にも有料 VPN サービスのようにブロックされません(ただし実家がたまたま大手有料 VPN サービスを経営してる場合はダメかも)。使うときは Mac や iPhone から VPN (L2TP) をオンにする必要があり、 VPN がオンの間は全てのトラッフィクが日本経由になるので、通信速度がちょっと遅くなります。
離れた2拠点の LAN 同士をつなぐ (レイヤー3 VPN )
実家と自宅、等2つの拠点にそれぞれ EdgeRouter を置き、その LAN 同士を拠点間 VPN で常時接続できます。例えば実家に置いてあるファイルサーバに、上記のような VPN をオンにする作業をしなくても、いつでもアクセスできるようになったりします。実家にあるルーターも自宅から設定できます。ただしレイヤー3接続なので、レイヤー2接続が必要なもの(例えば DLNA や iTunes ホームシェアリング等)は使えません。
自宅 LAN から特別な操作をしなくても日本のコンテンツが観られるようにする
これが EdgeRouter を使う甲斐がある機能の1つです。上記のような VPN をオンにする、等の操作をしなくても、自宅の LAN からまるで日本にいるかのように日本の TVer や Netflix が観られるようになります。自宅内の Mac や iPhone や PS4 は特になにもせずそういったサイトが観られるようになります。ルーターがアクセスする先のサイトに応じて、普通にインターネット経由でアクセスしたり、拠点間 VPN 経由でアクセスしたり、等の文字通りルーティングを行います。自宅と実家に1台ずつ EdgeRouter が必要です。
初期設定 ダイナミック DNS 拠点間 VPN Policy Based Routing Domain Based Routing
FaceTime やストリーミングを途切れにくくする
AirPrint や iTunes ホームシェアリングを VPN を越えて使う
AirPrint や iTunes ホームシェアリングなどの機能は、 Bonjour というプロトコルを使っています。 Bonjour は基本的に同じ LAN 内でしか動きませんが、 EdgeRouter の mDNS Reflector という機能を使うと、拠点間 VPN などで接続された複数の LAN 間で Bonjour が動くようになります。
実家経由で地デジを観る (レイヤー2 VPN )
実家と自宅、等2つの拠点にそれぞれ EdgeRouter を置き、2つの LAN で Ethernet フレームが行き来できるようレイヤー2レベルで一体化できます。これにより Ethernet を介して LAN 内で動作するアプリケーションがほぼ一通り太平洋を越えて動くようになります。なぜこれがここまで私を駆り立てたのか皆目見当もつきませんが、足掛け3年、とうとうやり遂げました。おかげで実家の地デジがカリフォルニアの自宅から観られるようになりました。ただし地デジチューナーは、 NexTV-F 規格制定以降のモデル(「リモート視聴」対応のやつはほぼそれ)だと「 RTT 7ms 以下」という制限があってこれでも動きません。
ちなみに EdgeRouter の設定は激ムズでしたが、最強のソフトウェア VPN 、 SoftEther を使うと超あっさり実現できます。 Mac mini を2台、実家と自宅に置くだけです。こっちの方が圧倒的に簡単で、成功率が高いです。
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