全国6人の UniFi ファンの皆様、お待たせしました。今回は UniFi の最新型オールインワン WiFi ルーターの UniFi Dream Machine を設定してみたいと思います。
UDM とは
この記事で紹介したように、 UniFi とは Ubiquiti のローエンドエンタープライズ向け WiFi ・ネットワークプラットフォームです。基本的に UniFi はルーター、 WiFi アクセスポイント、コントローラー等個々の機能を持ったデバイスを組み合わせるモジュラー式のシステムですが、今回設定する UDM は、 WiFi ルーターとして始めるための各機能が1つになった UniFi 初の統合型デバイスです。普通の UniFi のラインナップと比べてみると、こんな感じになります。
UniFi のルーターである USG は伝統的に EdgeRouter と同じ Cavium ベースの CPU に EdgeOS ベースのソフトウェアが載っています。しかし UDM は ARM ベースの CPU と新しい UniFi OS と呼ばれる詳細不明のソフトウェアが載っているようです。
ちなみに UDM / UniFi OS はハードウェアオフロードを使わずソフトウェア処理のみでルーティングを行い、そのパフォーマンスは IDS を有効にした状態で 850 Mbps のようです。なので、 IDS を使わなければ 1Gbps は出ると思われます。
UGS と UDM はベースのソフトウェアが違いますが、ユーザーが操作するインターフェースは UniFi Contoroller です。なので使い方はほぼ同じです。
機能
Ubiquiti 製品は、はっきりとした機能一覧や、設定できる項目を網羅したヘルプ等が全然無いことで有名です。基本的にはとても価格性能比が高く、この価格で使えるなんてすごい!というような機能がいろいろあるんですが・・これは最大の欠点と言えるかもしれません。
バージョンが上がると人知れず機能が増えたり、またバグで機能が動かなかったりするので、マニアックな設定をする場合は、転んでも泣かない忍耐強さが求められます。 UDM もその例に漏れず、全機能がどれくらいあるのか、どの機能が欠けているのか、多分誰も知りません。現状マニュアルもありません。
ただ今回設定をした UDM の設定を UniFi Controller 上でざっと眺めたところ、現時点ではこんな機能があるようです。
UDM 機能いろいろ |
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2.4Ghz: HT20 / HT40 |
5Ghz: VHT20 / VHT40 / VHT80 / VHT160 |
Multiple SSID |
Band String |
Jumbo Frame |
Flow Control |
VLAN |
WLAN schedule |
Guest Hotspot with Captive Portal |
DHCP Server / DHCP Relay |
DHCP Guarding |
UPnP |
IGMP Snooping |
MAC filter |
IDS / IPS / DPS |
GeoIP Filtering |
L2TP VPN Server |
Site-to-Site IPsec |
Firewall |
Static Routes |
Dynamic DNS (dynes / noip etc.) |
mDNS Reflector |
RADIUS Server |
Port Forwarding |
Remote Management |
そこらの消費者向けの WiFi ルーターには無いような機能が色々あるのがわかっていただけるかと思います。なので、このような機能にピンと来ない場合は AmpliFi の方がオススメです。
ちなみに USG は隠しコマンドで EdgeOS の機能を設定できるんですが、 UDM はその機能がなくなってしまいました。
拡張性
UDM も UniFi の一員であり、既存の UniFi スイッチングハブや WiFi アクセスポイントを追加してシステムを拡張することができます。流行りのメッシュももちろん可能です。また同一のコントローラーで管理する別の UDM や USG と Auto site-to-site IPsec を張ることができ、これは WAN の IP アドレスが変わっても大丈夫な優れものです。
設定してみる
それでは中の人に提供していただいた UDM を設定してみます。一応クイックスタートガイドだけはあります。
箱から出すとこんな感じです。超シンプルです。電源につないで、 iPhone で UniFi Network アプリを立ち上げます。
まずは Bluetooth で近くにいる UDM を探します。
見つかりました!新しい Contoroller として設定します。
WAN 側をインターネットにつなぐと、インターネットに繋がってるよ〜と確認してくれます。
この UDM の Controller の名前を決めます。
Ubiquiti アカウントを聞かれます。よい子の皆さんは、もう持っていますね。
WiFi のオススメ設定をオススメされます。この機能は登場時はバグが多くあまり評判がよくなかったので、オフにしました。
WiFi の SSID を決めます。ここで 2.4 Ghz と 5 Ghz に別々の SSID をつけることもできます。また後でゲスト用や VLAN 用に SSID を増やすこともできます。
ファームウェアアップデートの時間を決めます。デフォルトは朝3時のようです。
スピードテストをしてくれます。まずまずの数字ですが 1Gbps 出てないのは Double NAT で上流にハードウェアオフロードを切った EdgeRouter 6P がいるせいです。
こんな感じで設定しますよ、と確認です。
設定が終わったので、晴れて UDM の WiFi に接続するか聞かれます。 iPhone でわざわざ設定しなくていいのは楽です。
これが UniFi Network アプリの基本画面です。
つづいて Devices タブです。スイッチや AP を追加するとここに並んでいきます。
Clients タブです。現在 LAN / WiFi に接続されてる端末が並びます。
Statistics タブです。 DPI によってどんなサイトとどれくらいデータの送受信してるか等が見られます。
おわりに
というわけで、駆け足でしたが初期設定をやってみました。基本的には既存の UniFi のデバイスを設定するのとあまり変わらないと思います。まだまだ機能が全然少ないので、既存の USG を json ファイルを用いて使いこなしたり、 EdgeOS を使っていた人には物足りなさそうです。
いままでの消費者向けの WiFi ルーターからメッシュや VLAN 等の機能を求めてステップアップしたい人にはぴったりかもしれません。これからソフトウェアのバージョンアップに伴って、 USG に負けないくらいの機能が増えるといいなと思います。
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